横浜市教育委員会の自由社版教科書の採択を白紙撤回しましょう!

「歴史教科書問題」は「市民自治の問題」である!

横浜市教育委員会の自由社版教科書の採択を白紙撤回しましょう!
 10/25午後2時より緑ネット事務所で「歴史教科書問題」ミニフォーラムを開催しました。講師の佐藤満喜子さん(「教科書問題を考える横浜市民の会」代表)をはじめ21名の参加の中、真剣な議論となりました。基調報告では「歴史教科書」の問題点、自由社版教科書の採択された経過、教科書1区採択制の問題等など。市民にとっては重要な課題であることを再認識させられました。
 自由社版教科書の「政治的」な意図的内容を除いても、横浜市教育委員会の採択審議には、重大な手続きとして問題(瑕疵)があります。現在、教科書の採択は教育委員会が決定しています。その決定に先駆けて教科書取扱審議会の調査報告書、実態報告書とはかけ離れた「教育委員個人」の見解が浮き彫りされたものでした。現場の声が生かされていません。
【教科書採択の問題点】
①教育委員会の諮問とする「教科書取扱審議会」の調査報告書には、採択候補教科書9社のうち、7社の教科書をあげているにも関わらず、3社(自由社、帝国書院、東京書籍)の教科書にしか意見が出されていません。その3社に限定した明確な説明もありませんし、根拠を立証するものもありません。「はじめに結果ありき」と言わんばかりです。
②横浜市は全区毎に各教科書を評価していますが、調査報告書に記載された評価を全く度外視している教育委員会の採択があります。私たち緑区と金沢区は報告書の答申で「それぞれの区にとって望まし教科書の姿をみたす項目」には一個たりとも自由社の推薦がなされていないにも関わらず、教員委員会では自由社に決定されました。教育委員会の議事録を見ても、その根拠がない状況です。これでは市民に対しての説明責任を果たしていません。まさに教育委員の独断で選んでいると言われても仕方がないでしょう。
③教育委員会の採決方法においても歴史教科書のみが無記名投票としています。他の教科書は挙手採決を行っているのに何故でしょうか?これに対しても適切な説明がありません。委員会に対して採決後、市民からの要望に対しても、「法令、準則に従い適正、公平に手続きを行った」と言うばかり。なぜ「歴史教科書だけが無記名投票にするのか」その真意を説明しないことには横浜市民の税金で成り立っている委員会は無責任すぎるものです。教育委員会の責任として今田忠彦教育委員長と田村幸久教育長の辞任を求めます。
【今田教育委員長とは】
今田忠彦教育委員長は1969年横浜市に採用され、その後1999年に財政局担当理事(財政部長)2001年には総務局長の歴任し2年後3月に横浜市を退職。同4月には横浜市教育委員に就いています。横浜市の行政事務のトップを経験しているからか、教育委員会事務局も頭が上がらない状況もあるのでしょう。前回の2005年採択時にも教育委員の一人として、「新しい歴史教科書をつくる会」の「扶桑社の歴史教科書」を採択するよう強い支持表明した人物です。その後、前回の教育委員が今田教育委員を除いて全員入れ替わっています。
「つくる会」の幹部の内部証言では「新しい歴史教科書をつくる会」の会長 藤岡信勝(自由社版教科書代表執筆者・拓植大学教授)と以前から親交があり、「今回の教科書採択にあたっても採用に向けての働き掛け、採択の内諾があった。」とされ、疑惑が持たれています。当の今田教育委員長も自身自ら「藤岡氏とはたびたび会っている」ことを「自慢げに」周りに話しているとか。
公平性が重んじられる教育委員会しかもその実質トップの委員長が、教科書選定の対象となる人と会うこと自体、適正、公平さに欠ける重大事ではありませんか。

【前中田市長の任命責任は重い】
教育委員は市長の任命に基づき行われます。当時は中田宏市長によって任命されました。(教科書採択問題・横浜開港150年などの総括もせずにサッサと任期途中で辞任しました)首長たるものに「無責任な任命権」を与えないのが良いのではないでしょうか?市民が納得できる選出制度が必要です。
市民自らが委員を選出できる「公選制」の必要性を改めて痛感します。あるいは私立の学校が独自教科書を選択しているのと同様に公立の学校も市民の意見を取り入れた独自の選択制を取り入れれば、「教育」に対する市民意識が高まるのではないでしょうか。

今回の問題に対し、「採択のやり直し、教育委員長、教育長の辞任を求める署名」活動を展開し、世論を喚起することで、8/4の教科書採択決定を白紙に戻しましょう!皆さんのご協力が必要です。署名用紙の必要な方は緑ネット事務所までお問い合わせください。

神奈川ネットワーク運動・緑ネット                      
代表 熊谷暁