「『つくる会』の自由社版歴史教科書はいらない!使用させたくないのです!」

横浜市教育委員会は今からでも市民に誠意ある対応を

横浜市教育委員会(今田忠彦委員長)は2010年より「新しい歴史教科書をつくる会」(会長 藤岡信勝)の「自由社版中学歴史教科書」を横浜市の8区で採用を決めました。

【全国各地で採択に対する反対運動】
 この横浜市教育委員会の決定に対しては、市民として到底納得がいかず、横浜市内はもちろん全国各地に反対、抗議行動が起こっています。なぜ、このような動きが発生するか?それは子どもたちに本当の歴史教育を行ってほしいと言う想い、願いがあるからです。以前から問題となっている「扶桑社」および今回の採択が決まった「自由社」の執筆を担う「新しい歴史教科書をつくる会」(以降「つくる会」と称す)の政治的色合い(右翼的)の強い教科書は、未来を担う子どもたちに悪影響を及ぼすとの危惧からです。
 緑ネットでは「横浜教科書採択連絡会」の呼び掛けに賛同し、横浜教育委員会宛ての「歴史教科書の採択やり直しと今田教育委員長・田村教育長の辞職を求める署名」活動を急遽展開し、地元の駅頭活動や地域に署名への賛同を呼び掛けました。「横浜教科書採択連絡会」では15,805筆を集め、12月18日に委員会に提出しました。

【つくる会の教科書、内部抗争】
 「つくる会」の発行する教科書は従来の教科書の記述、表現に対して批判、不満を声高に訴えます。「日本に生まれてきた尊厳、誇りを無くしてしまう」と。いろいろな要件はありますが中でも日本の戦前の誤った戦争行為に対しては、その行為を「美化」し、正当化します。「負になるような歴史観」を極力否定します。多くの歴史家が積み上げ、検証してきた「歴史たる史実」を歪曲させるものです。「つくる会」では「歴史は科学ではない」と言いました。小説、フィクションであるのでしょうか。そうであるならば教科書として当然、認めるべきではありません。
当初の「つくる会」が編集し「扶桑社」から出された教科書が何度も検定制度にも通らなかった所以がそこにあります。自分達の「思想、心情」を公的に影響させるが為に、「教育の場」に入り込んできているものです。しかし、その主張も「教科書検定制度」の壁にぶつかります。そもそも検定を通過しなければ「教科書」として認められません。そこで「表現内容」を多少なりともやんわりと誤魔化して、通過させる方法となります。この会が1996年に結成からその過程では組織内でのドロドロとした主導権争いを受けての内部分裂が繰り返されています。現在の藤岡信勝代表は「自由社」を、八木秀二前代表は「扶桑社」から「育鵬社(社長は扶桑社社長が兼務)を立ち上げ、教科書を出版します。「つくる会」から出された教科書の著作権争いによる訴訟問題にまで発展しています。

【つくる会の自由社版教科書はいらない!】
 このような組織問題、著作権問題を抱え込んでいる教科書は他にあるでしょうか?教科書の内容はもとより、裁判問題にもなっている「自由社版教科書」が私たち横浜市(8区)で来年度より使用されることになるのです。しかも、今後横浜市では全区一律採択(一教科一教科書)になることを神奈川県教育委員会が認めました。時代に逆行する決定です。教科書採択をめぐり「危険な動き」です。未来を担う子どもたちにとって「何が大切で、何が必要なのか」私たち一人ひとりの市民が真剣に問われている問題です。
 市民の皆さんの声を出しましょう。日常の会話に、立ち話に取り入れましょう。一人がひとりの関心者を増やし、横浜市教育委員会の教科書採択を白紙撤回させましょう。

神奈川ネットワーク運動・緑ネット
代表  熊谷暁