横浜市教育委員会、育鵬社教科書採択の暴挙!

2011年8月17日 21時51分 | カテゴリー: 活動報告

前回の「危ない教科書」自由社採択についで、また「つくる会」系の育鵬社が採用される!

横浜市教育委員会、育鵬社教科書採択の暴挙!
【8/4「つくる会」系育鵬社が採択される】
8/4横浜市教育委員会は来春から4年間使用する中学校教科書を採択しました。2009年に行なわれた教科書採択では、右派、保守的な思想集団「新しい歴史教科書をつくる会」の自由社版中学歴史教科書が、大きな問題(教育委員会採択手続き的問題・教科書表記の間違い、盗作問題そもそも教科書内容自体の問題)を孕んで採択されました。採択後は多くの市民、学者、教職員関係者の幅広い活動がずっと続けられていました。
今年の春から始まった「新しい歴史教科書をつくる会」系の自由社と育鵬社の教科書を採択しないようにとの要望署名書には11万1575筆が短期間の間にも集まりました。朝日新聞でも教科書採択の問題点をわかりやすく特集連載、解説してくれました。
今回の育鵬社教科書採択により来年から4年間の間、横浜市立中学校の生徒さんは、歴史、公民の教科書を使用せざるを得ない状況があります。2009年神奈川県教育委員会は今までは市内各区(18区)其々の行政体毎に採用を決められていた教科書採択を横浜市教育委員会の要請により、一律全区一括使用(全市1区採択)を決定しています。
来春から市内中学生149校約8万人が使用されます。使用してほしくない意向の市民が多くいる中で4年間で16万人以上が強制的に授業で使わせられるのです。「新しい歴史教科書をつくる会」の「危ない教科書」自由社版、育鵬社版教科書採択に反対しているのは使用する親子さんだけでなく、現場の教師からも批判、困惑の声が出されています。

【8/4横浜市教育委員会の審議様子】
横浜市教育委員会メンバーは今田忠彦教育委員長、山田巧教育長、奥山千鶴子委員、小浜逸郎委員、野木秀子委員、中里順子員で構成。
当日の教育委員会には傍聴希望者が約600人(傍聴出来た人20人。別会場で音声のみの傍聴出来た人約500人。別会場にも入れなかった人約100人)が集まりました。異例の傍聴希望者数にも今回の教科書採択の持つ重みを窺うことが出来ます。委員会は午前10時より開始され、教科書採択については2009年の無記名投票ではなく、記名投票となりました。
投票では今田委員、小浜委員、野木委員、中里委員の4人が歴史、公民とも育鵬社の教科書選びました。(この4名は前回2009年の教科書採択時においても、「新しい歴史教科書をつくる会」系「自由社版」教科書を採択したメンバーです。しかも中田宏前横浜市長が任命した人です。)
他の山田巧委員は歴史、公民ともに東京書籍、奥山千鶴子委員は、歴史は日本文教出版、公民は教育出版を選びました。
4名の「育鵬社」教科書採択メンバーの基本的な選択主旨は「日本伝統文化尊重の観点」「国旗・国歌」「領土問題」をどのように表現しているか重視したと発言しています。まさに『ナショナリズム復活」を学校教科書を通じて、生徒に押し付けようとする考え方の持ち主メンバーと言えると思います。自由社、育鵬社が「危ない教科書」と言われる所以をまさに体現した考えです。
今田忠彦委員長は「過去の歴史を現代の視点から批判するのは一方的。若者が祖国に誇りを持てない。日本の伝統文化には奥ゆかしさ、すばらしさがたくさんある。国旗国歌はなぜ大切かを理解するのが大事。領土問題も全体に扱いが小さい」とあからさまに発言。小浜委員は「伝統文化の尊重という観点は宗教や神話をどう扱うかに現れる。大日本帝国憲法は当時は諸外国からも称賛された。日本人も外国人も等しく人権があるという記述に引っ掛かる。外国人参政権は無原則に認めれば国家主権を危うくする」と驚きの発言。中里委員も自衛隊、外国人参政権の書き方、国旗国歌や竹島・尖閣諸島の扱いを重視した旨を述べている。
これに対して教育委員会の諮問機関とする「横浜市教科書取扱審議会」の答申を適切に評価した山田巧教育長と奥山千鶴子委員は「育鵬社」の教科書を単なる「歴史書」でり、「教科書」としての体をなしてないと反論しました。政治的な解釈があいまいな事象を取り上げていることは生徒の学習に妨げになると指摘。あわせて、国民主権、基本的な人権の尊重、平和主義という日本国憲法の基本がきちんと書かれていることを重視すべきことを述べています。
【「横浜市教科書取扱審議会」の答申結果】
教育委員会の諮問機関の「教科書取扱審議会」答申は16項目の観点別評価があり、出版社各7社をそれぞれ評価選定しています。その中で一番評価が高いのは歴史では東京書籍、12ポイントでその後、日本文教出版10ポイント、教育出版9ポイント、帝国書院9ポイント、育鵬社は8ポイントの5番目です。公民では教育出版11ポイント、帝国書院11ポイント、東京書籍10ポイント、育鵬社10ポイントとなっています。
2009年の前回採択時にはまったく評価選定されなかった地区がある「自由社版」が教育委員会で教科書に選ばれました。現場の校長先生をはじめ有識者で構成される審議会の答申を無視したものでした。今回も育鵬社版を選ばなかった山田委員、奥山委員の2名の他は答申内容を軽視したとしか言うほかありません。自分たちの組織の諮問機関を信用しないのなら、設置する必要はないのではないですか?
公平適正に評価する為に設けているものですので、育鵬社を選んだ4名のメンバーは「自分のイデオロギー、価値観」で採択したものです。
【育鵬社教科書採択の白紙撤回を求めます!】
「新しい歴史教科書をつくる会」系「育鵬社」の歴史、公民教科書は「横浜市教科書取扱審議会」答申を無視して採択されたもので、「公正・適正な採択」とは言えません。最大限、「答申書」を活かした採択でない今回の採択は市民にとって納得のいくものではありません。しかも、育鵬社教科書の内容は、首尾一貫として国民に向けての危ないナショナリズムを押し付ける内容であり、平和を希求する日本国憲法にも違反するものです。育鵬社の教科書の記述が内容に偏りがあると共に、事実に誤りや不適切な表現が数多くある中、4名の教育委員の独断的個人的な価値観に基づいて採択された「育鵬社教科書」採択を白紙撤回し、再度中学教科書採択のやり直しを求めます。

神奈川ネットワーク運動・緑ネット

代表   熊谷暁