介護保険制度改正に向けての現状と課題は何か?

2011年11月1日 00時04分 | カテゴリー: 活動報告

10/6介護保険制度ミニフォーラム開催しました。

10/6(木)午後1時30分から神奈川ネットワーク運動・緑ネット事務所において「介護保険制度改正にむけて現状と課題」とするミニフォーラムを開催しました。講師にはケアーマネージャーで介護福祉・社会福祉士でもいらっしゃる元川崎市議会議員(ネットあさお)の佐藤喜美子さんをお招きしました。
はじめに基本的な介護保険制度の流れ、運用の現状、そして2012年の介護保険制度改定のポイントをわかりやすく説明して頂きました。そして改定に向けての問題点を指摘、今後に向けての課題を共有し合うと共に、参加者との意見交換を行うことも出来、有意義な時間が持てました。当日は神奈川ネットワーク運動・政策部長の岩本香苗さん(前相模原市議)も参加してくれ、NETとしての介護保険制度に対する議論、政策提言に向けての状況について、お話しを聞く事ができました。
【2012年介護保険制度改正のポイント】
2012年4月から施行される改正介護保険法では、「高齢者が地域で自立した生活を営めるよう、医療、介護、予防、住まい、生活支援サービスが切れ目なく提供される『地域包括センターケアシステム』の実現にむけた取組を進める。」として、大きく6つのポイントがあります。まず一つ目として医療と介護の連携の強化等として①医療、介護、予防、住まい、生活支援サービスが連携した要介護者等への包括支援(地域包括ケア)を推進。②として日常生活圏域ごとに地域ニーズや課題把握をふまえた介護保険事業計画の策定。③単身・重度の要介護者等に対応できる24時間対応の定期循環・随時対応サービスや複合型サービスを創設。④保険者の判断による予防給付と生活支援ザ—ビスの総合的な実施を可能とする。⑤介護療養病床の廃止期限(平成24年3月末)を猶予。二つ目に介護人材の確保とサービスの質の向上として①介護福祉士や一定の教育を受けた介護職員等によるたんの吸引等の実施ができること。②介護福祉の資格取得方法の見直しを延期。③介護事業所における労働法規の遵守と徹底。事業者指定の欠格要因による労働基準法等違反者を追加。④に公表前の調査実施の義務付け廃止などサービス情報公表制度の見直しをする。
三つ目に高齢者の住まいの整備等については有料老人ホーム等における前払金の返還に関する利用者保護規定を追加。四つ目に認知症対策の推進として①市民後見人の育成及び活用など、市長村における高齢者の権利擁護の推進。②として市長村の介護保険事業計画における地域の実情に応じた認知症支援対策を盛り込むこと。五つ目に保険者による主体的な取組の推進として①介護保険事業計画と医療サービス、住まいに関する計画との調和の確保。②に地域密着型サービスについて公募・選考による指定を可能とする。六つ目に介護料の上昇の緩和として各都道府県の財務安定化基金を取り崩し、介護保険料の軽減等に活用としています。
【介護保険の現状と課題】
前回の介護保険改正の際に緑ネットでは問題点を指摘していました。①に地域包括センターの体制の見直し(専門スタッフの増員と報酬アップの必要性)②に地域支援事業・特定高齢者施設が十分に機能していないこと。(内容の見直し)そして③に介護報酬について(介護に従事する人が安心して有意義には働ける報酬内容にすべき)と主張してきましたが、実際問題としてその後も実質的な改善された様子が見当たりません。(*主張の内容についてはバックナンバー「介護保険制度の現状と問題点Part2」をご覧下さい。)
 そもそも介護保険制度は介護が必要な人にとって安心して利用できる制度として行くことを基本とするならば、介護要望という施策の範囲は「誕生から生涯を終えるまで」健康に暮らす為の、年齢に応じた、心身ともに健康なせいかつを維持していくことが施策であり、保健事業との連携が必要であります。
 介護保険利用者と家族を継続的に支援していくためには利用者がケアーマネージャーやケアープランを選べる仕組みにすること、また地域包括センター機能として、地域にすみすべての人に対する総合相談窓口の機能を持つ必要があります。要介護から要支援に変った時の対応にズレが生じてはならないものです。
 前回の保険料改正の際に横浜市は月額4150円から5000円ほどに引き上げる案が出されましたが県の指導を受け4500円となった経過がありました。介護保険料の上昇を抑えるために、今回の改定の柱の一つとして介護保険安定化基金を取り崩せることが盛り込まれています。神奈川県の基金とは別に各市町村ではサービス利用が計画を下回り余った保険料は「準備基金」として積み重ねられ、2010年度末の県内の合計金額は約250億円にもなります。利用者の負担を減らす為にも、保険料の軽減化と共にサービスの質の保障を同時に行なうべきと考えます。
 

神奈川ネットワーク運動・緑ネット
代表 熊谷暁