6/22「こんな教科書はごめんだ!」集会開催される。

<育鵬社教科書は どう扱っている?原発! どう教えている?憲法!>

6月22日午後6時30分~かながわ県民センターホールにて、「横浜教科書採択連絡会」主催のもと「こんな教科書はごめんだ!」集会が開催されました。この横浜市教科書採択連絡会は「新しい歴史教科書をつくる会」系の「自由社」「育鵬社」の教科書採択に反対する市民運動団体、個人の参加によって結成されています。

当日は広い会場もほぼ満席で、弁護士の穂積匡史さん(神奈川労働弁護団事務局長、日弁連両性の平等に関する委員会委員、「育鵬社教科書をどう読むか」執筆者)と元中学校教師でいられる大谷猛夫さんを講師に招いて、原発問題や憲法について育鵬社教科書がどのように扱っているか、他の教科書と比較しながら、その問題点を指摘して下さいました。
講師の大谷さんは、教科書のエネルギー・原発記述の経緯から検定の問題点を指摘。そして育鵬社版と他社版の記述の違いなど、財界人らの要請によるような原発の必要性を誘導するようにしていることを説明してくださいました。

育鵬社教科書の憲法についての講師の穂積さんは、弁護士の立場から、まず育鵬社版の憲法・法の捉え方そのものの問題点を説明して下さいました。憲法・法は、権力から個人の権利を守るために制定されているにも係わらず、育鵬社版では逆に個人を制限するルールのように教えています。

【育鵬社の原発記述の問題点】

育鵬社の中学公民教科書では他社が昨年の3・11東日本大震災を受け、その危険性を指摘しているにも拘らず、育鵬社の教科書は「効率と公正」の視点として、原子力発電所を容認、後押しする表現となっています。原子力発電所の設置によって起こり得る危険性、住民に及ぼす生命・健康への侵害や今回の事故に対する社会的な視点での検討させることなど一切なく、資源の不足な日本には原子力発電所は必要とするような記述です。全く福島第一原子力発電所の事故を無視するかの記述。どなたかの利権に絡んでの記述と言っても良いでしょう。現在もなお放射線に苦しむ市民の皆さんの「声なき声」に耳を傾けることもなく、未来の子供たちの行く末についても危ない教科書、記述です。

【育鵬社の憲法記述の問題点】

育鵬社の公民教科書の憲法記述では、日本国憲法の基本的3つの原則(国民主権・基本的人権の尊重・平和主義)を蔑ろにする記述が目立ちます。まさに戦前の大日本帝国憲法を彷彿させる内容が多々あります。戦後の日本国憲法がアメリカによる押し付け憲法であることを強調。憲法「改正」を強く主張しています。一番の問題点は先に記述している通り、「法」の解釈です。憲法、法律が国家権力から個人の権利を守るとの視点が全くなく、個人は国家に従うべき存在であるかの記述、イラスト、写真を活用しています。こんな教科書は「新しい教科書をつくる会」系自由社、育鵬社以外にはありません。

【未来の子供たちの為に危ない教科書(育鵬社・自由社)の教科書は要りません】

 横浜市において2009年の「つくる会」の自由社版歴史教科書が採択され、2011年の8月には「つくる会」系育鵬社の歴史、公民教科書が採択強行されました。ナショナリズムを煽動し、戦争の出来る「国家」を目指す育鵬社、自由社の教科書は市民にとって怖い存在です。自民党をはじめ石原慎太郎東京都知事も推奨するこの「危ない教科書」に対して断固として、反対の立場、運動を今後も続けて行きます。是非、多くの皆さん、この教科書会社の危険性を調べてみて下さい。

 

神奈川ネットワーク運動

緑ネット代表  熊谷暁