1/29(金)午後6時30分より神奈川県民センターにおいて「第2回こんな教科書はいらない!」市民集会が「横浜市教科書採択連絡会」主催のもとで開催されました。当日は約260名の参加者が集い、講師の琉球大学名誉教授の高嶋信欣さん、出版労連教科書対策部長事務局長の吉田典裕さんから「つくる会」の自由社教科書について問題点提起がありました。また、市内の教科書問題に取り組む市民団体や愛媛で反対運動を展開している方から力強いアピールがありました。
昨年の夏(8/4)に横浜市教育委員会が市内18区の中で8区に対して、自由社版の中学歴史教科書採択を行ったことは、暴挙としか言いようがありません。一つには「つくる会」の教科書(内容と編集意図)と言う問題、二つ目には横浜市教育委員会の審議、運営のあり方の問題です。(すでに要点については活動報告で指摘していますのでバックナンバーをご覧ください。)
そして、その後10/15には神奈川県教育委員会が横浜市の採択制を18区の採択地区を統合し市内1地区化にすることを認める決定を行いました。このままでは今後、横浜市内の全学校で自由社の教科書が使われる可能性が高まりました。
【市民にとって望ましい教科書は誰が選べば良いか】
出版労連『教科書レポート』1997年版および2002年版による「義務教育教科書営業担当者の意識調査」によれば、教科書採択者はだれであるべきか調査したところ一番望ましいのは現場の先生であることがわかります。生徒、地域に密着している現場の教師が適任とするのは、当然と言えます。日常子どもたちと接し、教える立場にある教師自身の声が一番だと常識的に判断出きると思います。
今回の横浜市教育委員会は採択権を持っていても、事前の審査項目とする現場の声(横浜市教科書採択審議会)を無視したかたちで採択決定を行っています。「採択審議会」の答申では区ごとに望ましいとされる教科書を推薦していますが、金沢区と緑区においては一つも自由社を挙げている該当項目がないにも関わらず、採用が決定されました。横浜市教育委員の勝手極まる、個人的判断で決められました。(何を基準に選んだかのしっかりとした説明もありません。)
【現場教師も困惑しています。】
来年度(2010年4月)から2年間、実際に「自由社版歴史教科書」を使用せざるを得ない対象の8区にお住まいの市民団体や中学生のお子さんを持つ親子さんが、直接、当該の学校を訪れ、教師の方々とお話出来ているケースがあります。現場の先生たちは一様に今回の横浜市教育委員会の決定(自由社版中学歴史教科書採択)に対して困惑しています。どのように教えたら良いか、別の教材、資料を必要とすべきか?教えられる生徒はもちろん、教える側も困る教科書です。地元の小学校の校長先生も教え子の5、6年生が「つくる会の自由社版教科書」で授業を受けさせられることに驚きと憤りをもらしていました。
現場の教師、先生たちも使用したくない教科書を横浜市教育委員会は採択したのです。
もう一度、教育委員会は市民とともに現場の先生たちの生の声に耳を傾けるべきです。
神奈川ネットワーク運動・緑ネット
代表 熊谷暁