食の安全・安心が脅かされている!

トータルな「食」に対する政策が必要です。

食の安全・安心が脅かされている!
2008年は「食の安全・安心」を脅かす事件に明け暮れた一年となりました。
人間の生きる為に絶対必要な「食」への信頼が根幹から失わされてしまいました。

【食の安心・安全の根幹は何か?】
①生産、製造する側の経営姿勢の問題
作り手は、儲け主義が第1義的になり、自分自身が自信を持って作り上げている「誇り」がなくなっていないでしょうか。営利・利益追求だけが目的となり、人を騙す行為も平気な感覚になっているのは問題です。
②消費する側の問題
消費者も出来るだけ安いものを得ようとするのは普通の感覚でしょう。しかし、もの作りには費用もかかり、作り手の生活が継続的に保てるだけの経費が必要です。消費する側が「何でも安いもの」と要求だけが全面となれば、作り手もどこかに無理が生じます。その結果として、色々と不正な行為が発生します。作り手だけの問題でなく、消費者の意識にも問題があるのではないでしょうか?
③国・行政の食の安全に対する対応
最近は地方自治体単位で「食の安全条例」を定めているところもあります。国においては色々な法律が定められているのに関わらず、いっこうに、偽装事件、汚染問題が減らないのは何故でしょうか?誤りを裁く法律があっても、食に関する基本施策が間違っているから問題が減らないのではないでしょうか。

【食の安全に対する考え】
緑ネットは以下の提案をします。
①食の安全・安心基準の強化
食の安全に関わる基準を厳格にすべきと考えます。少しでも体に悪い、不安があると思われるものは一切使用しない事。最近偽装事件に隠れがちになっている「遺伝子組み換え食品」に対しては人間に与える未知なる危険性と捉えると拒否すべきと考えます。残留農薬の問題もあります。ポストハーベスト(収穫後の農薬使用)はもちろん基準で扱わないようにすべきです。
②生産者と消費者の信頼関係の構築
作り手としての生産者と消費者が持続的、継続的に食生活・食文化を創り上げる為に、相互のエゴだけでなく、互いが理解し合えるシステムが必要です。原料の品質を維持、生産過程、流通過程、経費負担も含めオープンにすることで、納得のいく信頼関係が出来るのではないでしょうか。「生協」の行っている「産地提携」による共同購入システムは一つのモデルです。
③食の自給率をアップさせる
現在の日本の自給率は40%を切っています。外国から6割の食品を輸入している状況です。食品偽装、汚染事件は外国産(特に中国)に起因しています。日本で生産されないものは仕方がないですが、国内で作られるものは輸入に頼らず自国で育成させることが今の「食の安全」問題を考えるにあたり重要です。米の減反政策、野菜つくりも海外の安価な食品を単純に引き入れるところに問題があります。
④国・地方自治体の食の安全に対する政策
いっこうに減らない偽装、汚染事件に対して、国・地方自治体が「食の安全」に対する大きなビジョンを提示することが必要です。子供たちの未来の為に長期的展望として「食の安全保障」が必要です。

神奈川ネットワーク運動
緑ネット 代表  熊谷暁