神奈川ネットワーク運動は、議員年金制度廃止を訴えてきました。2006年の「国会議員の議員年金制度廃止」を実現しました。そして更に「地方議会の議員年金制度廃止」を求め、県下の地域ネットが中心となり各行政区毎に、「議員年金の優遇された、特権制度」に反対し、廃止に向けての請願署名活動を展開してきました。横浜では、市民に対して駅頭、街頭活動を実施し、6月10日に各地域ネットで集めた「議員年金廃止を求めた請願署名」を市の議長宛に提出しました。最終筆数は合計1808筆でした。これにより市会運営委員会が6月17日に開催され、審議がおこなわれましたが、結果は残念ながら否決となりました。
事前に「即決採決」の情報があったため、神奈川ネットワーク運動の若林智子横浜市議を中心として事務局へ質問項目を準備。多少なりとも「議論」が出来る状況をつくり出しました。
質問項目の一つ目としては「共済会の財政状況はどうか」質したところ、事務局側からは「あと2年で破綻する」旨の回答があり、二つ目には「議員年金制度の掛金と公費負担分の変化について」は「公費負担金率が高くなっている」実態を明らかにさせました。三つ目には「他の自治体でも廃止の方向で意見書提出の動きについて」は「西宮市、雲仙市、茨城県で廃止を含めた抜本的な検討を求める意見書が採択された」とのやりとりを行うことが全国の動向について触れさせることが出来ました。
審議の中で、共産党は地方議員の議員年金制度を「地方議員を特別公務員という立場でとらえたら、公務員に比べて少しも優遇されていない」と発言。運営委員の井上さくら(無所属クラブ・「市民の党」)議員が「比較する対象が違う。市民の年金がボロボロで大変なのに、どこと比べるのか」と鋭い指摘がありました。自民党からは、「公務員や企業年金と一緒になっている、年金制度は複雑なんだから整理して発言しろ」との発言があったところで、「企業年金の話しなんかしていない、複雑だったら、じっくり検証、議論しよう、継続して話し合いを行おう」と切り返す一幕がありました。
自民党の若手議員はメモを取りながら、抜本的な制度見直し発言に頷いている様子でした。公明党も「議論は必要」、民主ヨコハマ会も「コンセンサスを得ていく努力が必要」と4年前の請願請求時には議論にならなかった会議とは大きな違いがありました。その意味においては大きな「前進」と捉えて良いのではないでしょうか。
今回の請願要求は否決されましたが、引き続き全国の意志ある市民と議員年金制度廃止に向けた活動を継続していきます。
請願署名にご協力下さった皆さん、ありがとうございました。
*写真は2009年1月27日朝日新聞の記事を掲載させて頂きました。
神奈川ネットワーク運動・緑ネット
代表 熊谷 暁