主要な内容として「横浜市教育委員会の採択した歴史教科書問題」「横浜開港150周年事業・『開国博Y150』」「新市庁舎建設計画」について報告してもらいました。
現在、どの件も市民にとっては重要な問題です。今回は「開国博Y150」について報告会を受けてリポートします。
【横浜開港150周年事業は有益だったのか?】
2009年4月28日から開幕した「開国博Y150」は9月27日を持って閉幕しました。この事業に対しては莫大なお金が費やされたにも関わらず、その成果とは何だったのでしょう?
【記念イベント「開国博Y150」の財源】
事業主体は財団法人 横浜開港150周年協会(横浜市が出資する外郭団体、以下協会)に横浜市が計画・立案を任せてものです。横浜市からの補助金が82億円、協賛企業から協賛金30億円、入場料の見込みとして45億円の計157億円の事業費で運営されるものでした。(また関連事業を含めると436億円にのぼります。)
協会はメインゾーンである「ベイサイドエリア」については大手広告代理店の博報堂と契約しました。当初の企画案が出されたものには国内外の大型ミュージシャン等を招いてのイベント企画を盛り込んでいましたが、実際蓋を開けてみれば、内容の大幅見直しがされていました。
入場者数を計画では500万人を目標としていたにもかかわらず、実績としては124万人と当初の予定の4分の1しかなく、23億円の赤字を出しました。
【今回の問題点とは】
①「開国博Y150」の記念式典の事業費で100億円の予定が162億円に膨らみました。補助金総額を事前決定するにも関わらず、ノーチェックで補助金が交付されました。
②「開国博Y150」の入場予定者数を500万人と見込んでいたにもかかわらず、実績としては124万人と大幅な伸び悩みになりました。
③企業・運営体制の課題として、責任者不在の問題が挙げられます。横浜市と協会の責任のなすり合い、市長、副市長の辞職、広告代理店への丸投げ体制。そして何よりもイベントの料金に見合うだけの魅力がなかったことが大きいです。今回のイベントに参加された市民に聞くところ「つまらなかった」との声が多数聞こえてきました。
④「財政調整基金」の取り崩しの問題もあります。本来この基金は経済の不況等により大幅な税収減になった場合、また災害発生等による思わぬ支出が必要となった時の為の積立金です。今回のイベントに取り崩して良いものでしょうか?
【市民に有効な税金の使い道を】
現在、世界的な景気低迷の状況下で、本当に優先的な税金の使い道があったのではないでしょうか?「イベント、箱物主義」ではない、雇用、子育て、高齢者介護問題等など課題が山積みです。市民がより安心した生活をおくれる社会を築く為にも「市政」に対して「市民の声」を出し続け、また議会を変えていきましょう。
神奈川ネットワーク運動・緑ネット
代表 熊谷暁