11/25「前川喜平さん講演会」が盛況の中、開催されました。

前回のHPでお知らせさせて頂きました「横浜教科書採択連絡会」主催の「前川喜平さん講演会」が県民かながわ県民センター(2階ホール)において、午後1時30分から開催されました。当日は170人以上の参加者ありました。

元文部・文科の官僚で、文部科学事務次官とする事務方のトップを担った方の話しは、政治の裏表を知りうる立場にいただけあり、とても有意義な講演会でありました。
戦後の主要な総理大臣の中での教育行政の在り方、時の政権での事務方への方針指示等々のお話もありました。

今の教育行政体系が変わる前提は1982年の中曽根康弘総理の時代の事。(当時、中曽根総理は日本を『不沈空母』と称し、国内外に物議を醸し出した方。)
① 一つには国家主義(個人より国家が大事=国の為に教育あり)
② 二つ目には新自由主義の基盤におよび日本電信電話公社の三公社を民営化させた。その後、橋本政権での金融ビッグバンや、小泉政権での聖域なき構造改革による規制緩和に新自由主義的政策は引き継がれる。
現在の教育体系の危ない機になったのが、2000年の森喜朗総理の時代に大きく変わったとの事です。「滅私奉公」の考えを持つ森は「教育基本法改正」に着手し強調しました。「愛国心」の大事さを謳う変貌ぶりを当時は各地域から心配、反対の声が挙げられた事、記憶にあると思います。
2006年に教育基本法改正案が自民、公明党の数に言わせた国会で決議されました。
時代時代の中で「教育の右傾化」が進む中での学校教科書検定制度も変わって来た、と前川氏は指摘されました。
安倍晋三第2次内閣の際の文科大臣に就任した下村博文大臣の教育行政において危ない体系を作りだしたと指摘されました。
そこには1997年の「日本会議」(保守主義・ナショナリストの集まり)の役割が大きかったと。そして自民党の中での多数の主要議員が「日本会議」のメンバーであり、「統一教会」とのメンバー、会員でありました。

前川喜平さんの一時間半にわたる講演会では語り尽きない話が多かったです。「横浜市教科書採択問題」にも触れられ、個人としても危機感を抱いていたそうです。
横浜市とする大都市の中で、18区ある中、学校教科書1本化で決定するのもおかしい事であり、横浜市教育委員会が現場教師や保護者たちの意見を十分に聞き入れなかった「教育委員会の独裁体制」だった事も挙げられました。
理想的には現場教師の各地域、学校独自で教科書選定出来る事が一番大事と締めくくりまとめてくれました。
「横浜教科書採択連絡会」としては、当日の講演会の内容動画を公開、貸し出す事を考えているそうです。是非、多くの市民の皆さんに触れて欲しいです。

神奈川ネットワーク運動
緑ネット 代表
熊谷 暁