「脱原発」の安全安心な社会つくりを目指して

いつまであると思うな原子力発電。〜新しい自然エネルギーへの政策転換が大事!

2011年3月11日は日本にとって、いや世界にとって忘れない日になりました。今世紀において未曾有の悲惨な災害と言える「東日本大震災」の発生です。
私たち人類には計り知れない「自然の力」が爆発した時です。6/14現在の死亡者数は15,429人、行方不明者は7,781人、避難者83,951人(マグニチュード9)にも上っています。(1995年1/17に発生した「阪神・淡路大震災」では死亡者数6434人、行方不明者3人(マグニチュード7.3)「阪神・淡路大震災」も多くの人命の犠牲者を出し、復興するにも多くの方々の支援、そして震災された方の努力により、現在があります。
今回の「東日本大震災」の最大の被害の要因は、地震の揺れも然ることながら、津波による被害が大きかったことです。町全体が一瞬に津波にのみ込まれ壊滅的な状況になったところが本当に多かったことが、亡くなられた方の多さを物語っています。そして、3か月が過ぎた今なお行方不明者が多くいらっしゃいます。今回の津波の影響を受けた場所は常に「津波対策」を行い、「防災訓練」も日頃から行なわれていました。しかし、想定していた以上の津波が襲い掛かったのです。自然の力は人間が想定する以上のものがあります。
震災を受けた被災者の方には、心からお見舞い申し上げますと共に、お亡くなりになられた方のご冥福をお祈りいたします。
【大震災による福島第1原子力発電所事故は人災である】
震災後に発生した福島第1原子力発電所の事故は日々、刻々と状勢が変わりつつあります。
原子力発電の事故が発生すると、それに対する事実、経過報告等に関して、毎度のこと、歪められた情報が出されます。市民にとって疑惑、不安を増幅させるものです。
東京電力は「原子力発電は絶対安全!」と言っていましたが、奇しくも今回の震災により、その安全性が崩れ去りました。ひとたび、問題が起これば、どうしようも無い状況を生み出します。緑ネットでは「原子力発電」を否定し、「脱原発」の立場にいます。1984年のチェルノブイリ原子力発電所の大災害を受け、多くの市民が「原子力発電の危険性を自覚」したはずです。
今回の福島第1原子力発電の事故は単なる自然災害ではなく、人災です。原子力発電を推進してきた国政にも問題がありますが、とにも角にも、「原子力発電会社」に最大の問題があります。もちろん、電力供給を受ける立場の人にも間接的ながら責任の一端はあるのかも知れません。だからこそ、原子力発電に頼らないエネルギー政策を要望するしだいです。
現在、世界的に見るとヨーロッパの先進国では国レベルで原子力発電政策の転換を図り、再生可能な自然エネルギー政策に転換しています。6/13に行なわれたイタリアの国民投票では92%の方が「原子力発電」に反対の意思を示しました。イタリア首相のベルルスコー二首相も原発再開発を断念する声明を発しました。原子力発電に頼らないエネルギー政策への転換は世の中の趨勢になりつつあります。
6/11に全国規模で行なわれた「6/11脱原発100万人デモ」には多くの市民が参加された報道があります。未来の子供たちの為にも、自然との共存の立場からも「脱原発」の声を今後とも発して行きたいと考えます。
【自然の力を侮るなかれ】
人類が誕生して600万年前から500万年前くらい経っていると言われます。私たち人類に取って、様々な時代を経験してきた歴史があります。暮らしも時代時代によって、発展してきました。現在ほど、「楽しく、安心出きる時代」はないと考えるかも知れません。しかし、私たちが生活出きるのも「この地球」「自然豊かな世界」があって成り立っていることを忘れてはならないと思います。自然の力は、人間がはかりしれない力(パワー)をもっています。その中で、今後の人類の繁栄を担うことを考えるなら、原子力発電所は必要ないもので、その代わりとする自然エネルギー政策に転換することを希求するものです。人類の未来を考えるのは、今を生きている人達であり、何よりも大人の責任が問われます。
1979年3月28日スリーマイル事故、1986年4月26日チェルノブイリ原発事故、そして今回の福島第1原子力発電事故を教訓に「原子力発電所のない世界」を築きあげたいと考えます。

*掲載した写真は2011年5/26宮城県気仙沼市街を撮影したものです。

神奈川ネットワーク運動・緑ネット
代表 熊谷暁