何故「条例」ではなく「要綱」??
横浜市の2005年9月議会では市民から出された「住民基本台帳駆け込み大量閲覧防止のための条例制定を求める請願」(緑ネットでも主旨に賛同し、署名活動を行いました)が、全会一致で採択されました。
その後12月になって、市民局は改正法が施行されるまでの時限措置として、閲覧制限に関する要綱を制定し、12月22日の閲覧申し込みから、公共目的(国・地方公共団体からの請求)・公益目的(世論調査・学術調査など以外は、閲覧した情報の転記を認めないこととしました。
実態調査から議会で指摘・提案
神奈川ネットワーク運動では、各地域ネットが各市町区へ住民基本台帳の閲覧に関する対応の聞き取り調査を行いました。横浜市では、18区において、ルールが統一されていないことや、ほとんどの区で、閲覧時に転記されている人数を把握していないことが分かりました。その後、市内で唯一転記されている人数の把握をしていた都筑区の閲覧申請書を情報公開請求で取り寄せ、分析した結果、閲覧の下請け化が行われるなどして、責任の所在が明らかでないことなどが判りました。そして議会において、閲覧回数の制限や閲覧名簿の並べ方の変更などを行っても、対処療法にしか過ぎないことを指摘し、商業目的の大量閲覧を禁止することを提案してきました。今回の要綱は、ようやく実行性のある具体的な対策が示されと、評価をしています。
要綱の変更は簡単
しかし、議会において全会一致で採択された請願は、条例制定を求めていたにもかかわらず、議会も行政も条例化に向けた議論を活発に行われなかったという課題が残りました。市長は2005年6月の市議会で、「市単独で条例などを作るのは法秩序的に難しい」と発言しました。しかし、原則公開としている今回の要綱は、条例化しても、住民基本台帳法との整合性は保たれます。すでに市川市では、今回の横浜市での措置と同様の規制を、条例で定めています。要綱はあくまでも行政内部の基準であり、容易に変更が可能です。一方条例の変更は必ず議会にかけられ、私達市民が選んだ議員によって審議されます。
市民にとって必要なルールは条例で
議会は立法府です。やはり市民にとって必要なルールは、市民と議会の力で制度化すべきです。神奈川ネットワーク運動では、今後も市民とともに、積極的に市民立法に取り組み、官主導の社会に対し、市民が政治を動かす力を発揮していきます。
「住民基本台帳の大量閲覧防止条例の請願」全会一致採択
横浜市「住民基本台帳駆け込み大量閲覧防止のための条例制定を求める請願」条例提案を求める「請願」は全会一致で採択!